長野旅行⑴|信州蕎麦を味わい善光寺へ

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新幹線を降りると、外の光が少しやわらかくなった。木の香りがする駅舎を出ると、空は透き通るような青。

お昼は、駅近くの落ち着いたお蕎麦屋さんへ。

最初に出されたのは、小鉢の蕎麦の実。素朴な香ばしさが口に広がり、旅のはじまりを静かに知らせてくれる。

続いて、揚げたての天麩羅。衣は軽く、れんこんや舞茸がほのかに甘い。山の恵みをそのまま味わうような、やさしい味だった。

そして、二種のそば。

一枚目は戸隠産丸抜き挽き。細打ちで上品、すっきりした喉ごしが心地よい。

二枚目は高山村産玄蕎麦挽き。少し太めで香りが強く、噛むほどに深い甘みが立ちのぼる。

同じ信州のそばでも、土地と挽き方でこんなに違う。食べ比べるうちに、穏やかな満足感が静かに広がっていった。

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長野駅から善光寺まで、まっすぐ北へ。中央通りを歩くと、遠くに山の稜線と、門前町の白壁の家並みが見えてくる。

大門の交差点を過ぎると、道の両側に土産物屋や甘味処が並び始め、観光客の姿も増えてきた。秋の陽射しの下、風が乾いて気持ちいい。

やがて、木造の仁王門が見えてくる。近づくにつれて、その重厚な屋根と、金剛力士像の姿が迫ってくる。

柵越しに見上げると、阿形と吽形、それぞれの表情に力が宿っているようだった。長野の青空を背景に、赤褐色の木肌が美しく映える。

仁王門をくぐると、仲見世通りの空気が少し変わる。観光客の声が和らぎ、参拝の空気に包まれる。

その先、案内所の一角に「なで牛」がいる。伝説にちなんだ黒光りの像。

「牛に引かれて善光寺参り」――そんな言葉の由来を、少しだけ思い出す。

そして、まっすぐ延びる石畳の先に見えるのが本堂。

屋根の黒瓦が陽を反射して、ゆるやかに輝いていた。

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